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【癒ログ】オーガニックの女神、アリス ・ウォーターズに学ぶ!私を、社会を、地球を変える食のチカラ!

世界で一番オーガニックな街と言われる、サンフランシスコ!

サンフランシスコは、オーガニック文化が世界で最も進化している街と言われています。その根源は、日本でもテレビで放映された「美味しい革命」の主人公、アリスウォーターズが1971年にオープンしたレストラン、「シェ・パニーズ」から始まります。この店は、アメリカで初めて ローカル、シーズナル、オーガニック” をテーマにした料理を提供し、後に「カリフォルニア料理」と呼ばれ、世界に先駆けオーガニックブームを起こしました。そして今、サンフランシスコではオーガニック食材はレストランや家庭で当たり前の存在。持続可能なライフスタイルが息づいています。

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「エディブルスクールヤード」(食べられる校庭)

彼女が遂げた数々の功績の一つに「エディブルスクールヤード」(食べられる校庭)というプロジェクトがあります。命の要であるこの食育プログラムは、農業を通じて子供達に食べ物のルーツと植物の成長、命の尊さを教育しています。教育といってもそこには上下関係がありません。先生、親が一体となり食育の本質を学び、健全な学校、家庭と社会を生みだしています。このプログラムは現在世界の500校が(各校で内容は異なる)取り入れ、さらに広がっています。日本では「愛和小学校」の一校だけが実践しています。

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生徒は毎日オーガニックの給食を食べています

「エディブルスクールヤード」は1991年、バークレー市にある「Martin Luther King Middle School」(マーチン.ルーサー.キング中学校)に設立されました。当時のアメリカはまだ大量生産、大量消費、ファーストフードが中心の肥満大国でした。この辺りの環境も決してよくなく、50以上の言語が飛び交う移民達の子供が通うこの学校は荒廃し、暴力やいじめ問題が絶えませんでした。しかし、このガーデンが出来てからは、子供達が「共同作業」を通じて心を開きだし、学校で、家庭でコミュニケーションをするようになってきたのです。それに加え、なんと、ここでは世界ではじめてオーガニックでホールフーズ(加工されてない本物の食材)の給食が朝と昼に支給されます。彼らはきっと世界一ラッキーな生徒さんですね。

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先生も親も子供と一緒にエコロジー(生態系)を学ぶ

食が持つチカラはそれだけではありません。野菜や果物を、家畜を一緒に育てる、食物を食卓まで運ぶ働き、そして美味しい食事を皆と食べる喜びと大切さを子供達自ら学んでいったのです。その「美味しいものをたべる」ゴールには全てルーツがあるという事です。食べ物がどこから来るのが、その命のルーツを知る事は自分を形成にも繋がりになります。しかも、この食育には、共同作業、農業、生物学、生態系、環境学、調理、食のマナー、後片付け、ゴミの分別まで生きるために一番必要なことを全て学ぶそしてそれは生徒たちが学ぶだけではなく、学校から帰った生徒たちは親にこの経験を話し、キッチンに立つ機会が増えたそうです。親もまた子供から学び、この学校の近隣の人たちも子供達とガーデンを見守っています。

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自然界から放たれる良いエネルギーの波紋

先日、年に一度「エディブルスクールヤード」で開催される「苗セール+お祭り」に行ってきました。この日は学校が一般に開放され、地元民が集まり収穫を祝う日です。一般道路まで子供や家族が作った飲み物やスナックのブースが並び、歌や演奏はあちこちから聞こえ1日中賑わいました。11歳と12歳の生徒が案内する畑ツアーに参加しましたが、蜂の巣箱や収穫中の野菜、ビニールハウス、鶏小屋の世話などを説明してくれました。そしてランチには子供達が協力して作ったオーブンで焼いたピザを食べました。

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このガーデンにはまる妖精がいるように穏やかな空気が流れています。虫や鶏や植物がすべてバランスよく共存していて、居るだけで自然界からのメッセージが聞こえてきます。素晴らしいのは、ここに集まる人々のイキイキとした表情と笑顔です。子供からお年寄りまで生きる歓びが一人一人から溢れているのです。エディブルスクールヤードは子供達が種から食卓へまでのプロセスを共同作業し美味しいものを分かち合うことで、いじめがすっかり減り、環境や食への興味が生まれ、生活態度が向上し、地域が活性化した特別の場所なのです。

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オーガニックの苗を家に持って帰り、さっそく土を触りながら子供達のように庭仕事をしてみると、虫や鳥がよってきて、とても穏やかな気持ちになりました。コンピュータから離れ、自然に触れる事は自分自身を見つめる事だと私自身も学びました。このような自然とのコミュニケーションが生きる上で大切なのだと、教えてくれたアリスに改めて敬服しました。

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アリスがレストランをオープンして半世紀が過ぎているのに、いまだに「シェパニーズ」は古びず絶えず世界中からお客さんが訪れます。彼女はオーガニック革命をアメリカに齎せた先駆者であると同時に、食革命のリーダーとして今でも世界を飛び回っています。「食が世界を変える」ーーーこれは本当の話。 私達が何を食べるか、どんな食材を選ぶかで私を、社会を、そして世界を変えるチカラだという事を「エディブルスクールヤード」が実証しています。

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ESY

データ:
Edible Schoolyard
1781 Rose St, Berkeley, CA 94703
(土日のみ見学可能)
Chez Panisse
1517 Shattuck Ave, Berkeley, CA 94709
http://www.chezpanisse.com/intro.php
(予約要)

この記事の担当ライター
関根絵里
関根絵里

ELLI SEKINE 関根絵里 

「Food&Lifestyle」ライター、メディアコーディネーター

グルメ、ライフスタイルを中心に各雑誌のコラムや雑誌の特集記事、サンフランシスコのガイドブック(6冊)に執筆中。 著書に『カリフォルニア.オーガニックトリップ』(ダイヤモンド社2014)がある。執筆の傍、食、レストラン、オーガニック視察、メディアコーディネート、オーガニック個人ガイドを務める。1999年よりサンフランシスコ在住。

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