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~リトミックに学ぶ音楽のチカラ~ Vol.1『心で聴き、感じる』
リトミック講師:佐藤真衣

リトミックとは?

みなさんは、リトミックという言葉をお聞きになったことはありますか?
幼児教育として、幼稚園保育園や音楽教室で習い事として、実際に体験された方もいらっしゃるかもしれません。

筆者は10年以上リトミック講師をしてきて、「リトミックってなんですか?」と聞かれる場面は当然多々あるのですが、未だに並べる言葉に迷います。音楽を言葉で説明するのが難しい以上に、リトミックというものそのものが、音楽と動きが密接に関わっていること、これがさらに言葉での説明を難しくしているのです……。

リトミックという言葉はこんなふうに綴ります。

rythmique

あれ?何か単語が隠れているのがわかりますか??
そう、リズム「rhythm」という言葉が隠れています。リトミックはフランス語で「よいリズム」という意味です。私たちは、たくさんのリズムに囲まれて暮らしています。心臓の鼓動から、日本の四季、生活のリズムなど音楽以外でもたくさんのリズムに囲まれています。

リトミックブーム?

日本には、2回のリトミックブームがありました。1回目は、黒柳徹子さん(1933〜)の著書「窓ぎわのトットちゃん」が出版された時。この本の中で、リトミックについて触れられている箇所があります。

トットちゃんこと、黒柳徹子さんが通われたトモエ学園という小学校では個性を尊重する教育をしていて、音楽の授業が多く、いろんな種類の音楽の勉強の中で、リトミック授業は毎日あったとのこと。トモエ学園の校長先生である小林宗作先生は、トモエ学園を始める前に、ヨーロッパで、子どもの教育をどのようにしているかを探りに行きました。そんな中、パリでリトミックの創始者エミール・ジャック・ダルクローズ(1865〜1950、スイス)に出会います。

Emile_Jaques_Dalcroze

ダルクローズは音楽大学の先生で、学生たちが楽譜どおりの音楽を演奏することはできるが、みんな同じになってしまっている。「どうしたら、耳ではなく『心で聴き、感じる』ということを子どもに教えられるだろうか」と長い間考えていたのです。

リトミックブームの話に戻ります。
2回目のリトミックブームは、天皇・皇后 両陛下の長女、愛子さまがリトミックを習っていた映像が流れたことがきっかけでした。日本中が「リトミックって??」と関心が向いたのです。
皇后 雅子さまがリトミックを愛子さまの教育方法の1つとして取り入れられたことで、実際に芸能人がリトミックを体験してみましょう、とテレビで特集が組まれ、「大人でも意外と難しい!でも楽しい!なにこの感覚!!」と言いながら、楽しんで体験している姿がお茶の間に流れました。この時は、日本中の音楽教室のリトミックのクラスがキャンセル待ちになるほどでした!

さて、今は、と言いますと、リトミックが子どもの教育の中にだいぶ浸透してきています。0歳から未就学児の6歳までのリトミックのクラスが一般的になってきていますが、それだけでなく、保育士志望の高校生がリトミックを体験する授業を受けたりします。
以前は、「リトミックに力を入れた幼稚園!」など、リトミックを幼稚園保育園の看板にしていたところも、「週1回のリトミック」が当たり前など、珍しいことではなくなってきました。音楽教育に限らず、演劇、舞踏、障がい児(者)や高齢者を対象とした実践にまで応用されています。

リトミックにおける音楽への参加の中で、子どもたちはいろんな気持ちを表現しようとします。何かを表現したいという欲求を満たされる時間になります。

リトミックに学ぶ音楽のチカラ1_1

大好きなお母さんやお父さん、お友だちや担任の先生のたくさんの模倣・まねっこを経て、「僕はこうしたい」「私はこう感じた」と、自分の表現を主張するようになります。これらの、さまざまな子どもたちの心の声を大人はしっかり受け止め、共感することはとっても大事。たくさん共感してもらうことで、他人の意見を尊重しつつ、自分の主張を堂々と持つことができるのです。

心を集中して聴く

漢字には「聞く」と「聴く」の文字があります。リトミックでは、なんとなく「聞く」のではなく、心を集中して意識して「聴く」ことができているかを重視します。
心を集中して意識して聴くために、ゲームのエッセンスを取り入れたり、スカーフ一枚が与えられてさらに表現を広げていく手助けをしたりします。

リトミックの歴史と、日本での流れなどを調べてきました。なによりも、子どもは動くのが大好き!子どもは音楽が大好き!
音楽のリズムに身体を合わせようとする感覚は、生まれながらにして誰でも持っていますが、幼ければ幼いほど、より自然に音楽を全身で感じることができるのです。
まだ、ハイハイもできない、首がようやく座った子どもが、奏でられる音楽にキャッキャと喜び、先生の歌声に夢中になり、合図があると、止まったり手を振ったりする。
初めてそれを目の前で見た時は、「人が生まれながらにして音楽が好きって本当だったんだ!」と、鳥肌がたったのでした。

次回の記事では、そんな子どもたちとのリトミックの体験を交えてお伝えできたらと思っています。

佐藤真衣profile_photo

Profile

佐藤真衣(さとう・まい)
3歳よりピアノを始める。大阪芸術大学にて作曲を学ぶ。リトミック研究センターディプロマA取得。保育園幼稚園にてリトミック指導、派遣業務を行なう。ここわ保育園リトミック講師リーダー。ピノキオ幼児舎でのラーニングプログラム講師、及びミュージックフェスタの総合プロデューサーを務める。児童養護施設そらいろ、リトミック講師。都立晴海総合高校、足立新田高校、王子総合高校非常勤講師。保育士を目指す高校生に、リトミックと保育現場について考える授業を行う。ピノキオハウス音楽クラブ講師(学童にて小学生リトミック)。ニューミック音楽教室ピアノ講師(現在、5~82歳の25名の指導にあたる)。リトミックサークルにゅーみっく主宰。ニューミック音楽教室主宰。

この記事の担当ライター
佐藤真衣
佐藤真衣

3歳よりピアノを始める。大阪芸術大学にて作曲を学ぶ。リトミック研究センターディプロマA取得。保育園幼稚園にてリトミック指導、派遣業務を行なう。ここわ保育園リトミック講師リーダー。ピノキオ幼児舎でのラーニングプログラム講師、及びミュージックフェスタの総合プロデューサーを務める。児童養護施設そらいろ、リトミック講師。都立晴海総合高校、足立新田高校、王子総合高校非常勤講師。保育士を目指す高校生に、リトミックと保育現場について考える授業を行う。ピノキオハウス音楽クラブ講師(学童にて小学生リトミック)。ニューミック音楽教室ピアノ講師(現在、5~82歳の25名の指導にあたる)。リトミックサークルにゅーみっく主宰。ニューミック音楽教室主宰。

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