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大切な人の様子がいつもと違ったら…?
周囲が心がけたい3つのこと

10月中旬に入り、秋が深まってきました。この時期、なぜかちょっぴりセンチメンタルになったり、気持ちの揺れを感じたりする人がいるかもしれません。

それがいっときのものならそれほど気にしなくても大丈夫ですが、身近に「なんとなくいつもと違う?」と思う状態がしばらく続いている人がいたら…ちょっと心配になってしまいますよね。

今回は、身近な人の心が弱っているときに、私たちはどんなサポートができるかを考えていきましょう。

あの人の「心のお疲れサイン」をキャッチしよう

ストレスは、心や身体、行動にさまざまな反応としてあらわれます。その例が以下です。

  • ちょっとしたことでもイライラしたり、悲しくなったりする
  • やる気や集中力が低下し、仕事や家事の能率が落ちたり、ミスが多くなったりする
  • 遅刻や欠勤が多くなる
  • 体調を崩しやすくなる
  • よく眠れない
  • 外出や人と会うのがおっくうになる
  • せかせかと動き回ったり、攻撃的になったりする
  • アルコールやタバコの量が増える
  • 食欲がなくなったり、逆に食べ過ぎたりする

身体の疲れと同じように、ストレスも蓄積するほど心身に大きな影響をおよぼします。
「あの人、なんだかいつもと違うな…」と感じたら、できるだけストレスの芽が小さいうちに手助けをしてあげられるとよいですね。

大切な人がつらい状況にあるとき…どんな対応をすればいい?

では、パートナーや家族といった近しい人がストレスを抱えてつらい状況にあるとき、私たちはどのように接するのが好ましいのでしょう。
3つのポイントをまとめてみました。

「励まし」や「決めつけ」は控え、「共感」をあらわそう

パートナーが胃痛をうったえたら、病院に行くようにうながす人がほとんどだと思いますが、心の問題となると、自分の経験に照らし合わせて「気のせいだからもっとしっかりしなよ」「そんなことで凹むなんて、甘えなんじゃない?」といった励ましや決めつけた言い方をしてしまうことがあります。

すると、本人は「自分の気持ちを誰にも理解してもらえない」と感じやすく、よりストレスが強くなってしまうことも。

安易な励ましや決めつけはせず、本人のつらい気持ちを受け止めて「わかるよ」「つらいよね」と共感してあげることが大切です。

原因にとらわれ過ぎない

つらい状況が続くと、本人はもちろん身近な人も、原因を探そうとします。それが問題解決につながればよいのですが、ときとして「こんな性格だからいけないんだ」「こんなふうに育てた親が悪い」「会社や上司のせいだ」といった「悪者探し」になってしまうことがあります。こうなると、ますますつらくなるだけでなく、身近で支える人との関係もギクシャクしがちになってしまいます。

原因をあれこれ考えるより、これからどうしていくことが本人にとってよいかを一緒に考えていくことが大切です。

「いつもどおり」を心がけよう

もしもパートナーがひどく落ち込んでいたら、かける言葉を選んだり、刺激しないように行動したりと、いつもより気を遣いながら接するよう心がけるかもしれません。けれど、「そんな気遣いがかえってつらい」と思わせることもあります。

一緒に食事をしたり、なんとなく時間を過ごしたりといったいつもと変わらない生活が、実は本人にとっては大きな支えになっていることもあるのです。できるだけいつもどおりにふるまって、安心したり、リラックスできる環境づくりを心がけましょう。

専門家に力を借りることも、選択肢のひとつに

身近な人の手助けなどによって、ストレスが小さいうちに解消されればなによりですが、第三者のより客観的な視点も取り入れたいときは、心療内科や精神科の受診、あるいは臨床心理士やカウンセラーなど専門家への相談をすすめてみることも、身近な人だからこそできるサポートのひとつです。

つらい状況を自覚していても病院やカウンセリングに行くほどではない、と考える人は少なくありません。周囲も、病院などへ連れて行ったほうがよいかどうか判断しづらいこともあるでしょう。けれど、あまり堅苦しく考えなくて大丈夫です。「心の疲れを癒しに行く」程度の軽い気持ちで利用してかまわないのです。

もしも大切な人のいつもと違う様子に気づいたら、専門家に相談する手もあることを思い出してみてくださいね。

この記事の担当ライター
桃谷 裕子
桃谷 裕子

桃谷裕子(ももたに・ひろこ)
横浜労災病院 勤務者メンタルヘルスセンター 臨床心理士
東京薬科大学卒業後、薬剤師の免許取得。関東逓信病院(現・NTT東日本関東病院)の薬剤師や英国ピアソングループ医療系出版社の管理職、エムスリー(株)にて日本最大級の医療従事者専用サイト『m3.com』の初代コンテンツ・リーダーとして働き続ける中、「いい仕事をするためには“心”と“からだ”の両方の健康づくりが重要!」と痛感。一念発起して、子育てをしながら心理学を学び、駒澤大学大学院、筑波大学大学院を修了。いまでは“薬女”の知識と経験も活かしながら臨床心理士・産業カウンセラーとして働く。現職のほか、神奈川大学教職員のカウンセラー、陸上自衛隊や企業のメンタルヘルス研修講師も務める。(公財)日本生産性本部と東京大学が共同で設立した『健康いきいき職場づくりフォーラム』の2018年2月のブログ記事を担当。著書に『メンタルサポート教室』『心とからだの健康教室』(新興医学出版社)がある。リラクシング&リフレッシング・ミュージック『ストレスフリー』(デラ)の監修者でもある。

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