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「NO」って言えますか?社会人のための「断り上手」のテクニック

新年度のスタートから早1ヵ月が経ちました。この春、社会人デビューや引っ越し、お子さんの入園入学などでライフスタイルの変化があった方も、少しずつ生活のペースに慣れたり、新たに出会った人々ともなじみはじめる頃かもしれませんね。

せっかく始まった人間関係ですから、良好なお付き合いを続けていきたいと願う方がほとんどではないでしょうか。けれど、ストレスを一切感じずに社会生活を送るのはなかなか難しいものです。
例えば、ちょっと引き受けにくいことをお願いされたら…。あなたなら、どうしますか?

今回は、無理なお願いやお誘いを上手に断る方法をアドバイスします。

「あとで連絡します」は、相手も自分もストレスに

スケジュールに余裕がない中で頼まれた仕事や気乗りしない飲み会、ママならPTAの役員など、本音は断りたいけれど、その場で「NO」を言えずに「スケジュールを確認してから、後で連絡します」「ちょっと考えさせてください」と返事を先送りにしたことはありませんか?

その場ですぐにお断りするより、時間をおいたほうが印象がソフトになるような気がするかもしれません。けれど、時間をおいたところで「NO」の返事は変わらないのであれば、相手の時間をむだにしてしまうことになります。また、自分にとっても、時間をおけばおくほど「NO」を言い出しにくくなることも。

お断りの返事の先送りは、相手にとっても自分にとってもストレスになりかねません。それより、早めに「NO」を伝えたほうが、結果的にお互いのためになるわけです。

断る=相手を全否定するわけではありません

お断りの返事は先送りしないほうがよいとわかっても、いざとなるとどうしても断れない…。そんな方は、なぜ「NO」を言うのがためらわれるのか、考えてみましょう。

自分が断ることで相手を困らせたり、傷つけてしまうかもしれない、あるいは断ることで相手に悪印象を与えてしまうかもしれない。そんな想いがありませんか?

けれど、断る=相手の「要求」を拒否するのであって、相手の全てを否定するわけではありません。相手の「要求」というピンポイントに対し、今回はたまたま都合や考えが合わないから「YES」と言えないだけなのです。

逆の場合も同じで、断られたからといって、自分を全否定されているわけではありません。そう考えると、断ることへのためらいも、断られることでのダメージも小さくなりそうですね。

「断り」の基本は4ステップ!上手な「断り方」を身につけよう

では、いざお断りが必要なシーンに直面したとき、どのような方法で伝えるのが好ましいのでしょう。相手と良好な関係を続けていきたいなら

相手も自分も傷つけないようにしながら、はっきりと断る

テクニックを身につけることが大切になってきます。その基本ステップが以下です。

「断り」の基本ステップ

ステップ1:謝罪
ステップ2:断る理由
ステップ3:断り
ステップ4:代替案の提示

この基本の4ステップを、お断りのシーンに当てはめてみましょう。ここではふたつの例を挙げてみます。

例1)上司から急な残業を頼まれて、断らなければならないとき

「申し訳ありません。お手伝いしたい気持ちは山々なのですが、」(ステップ1:謝罪)
「今日は以前から約束していた大切な用事がありまして、」(ステップ2:断る理由)
「どうしても残業することができないんです。」(ステップ3:断り)
「今日は無理ですが、明日の朝一番でもよろしければお手伝いさせていただきます。」(ステップ4:代替案の提示)

例2)PTA主催の行事であいさつを頼まれて、断らなければならないとき

「大変申し訳ないのですが、」(ステップ1:謝罪)
「人前で話すのがひどく苦手なものですから、」(ステップ2:断る理由)
「どうしてもお引き受けかねます。」(ステップ3:断り)
「会場の設営や受付など、できるお手伝いをさせていただくというのではいかがでしょうか。」(ステップ4:代替案の提示)

ただ「NO」を伝えるだけなら「できません」の一言でもよいわけですが、断る理由はもちろん、代わりにできることも伝えれば、相手の納得度が上がり角も立ちにくくなります。

本当は断りたいけれど、頼まれるとどうしても断れない…そんな優しい方は、どうしてもストレスがたまりがちです。
ときにはきちんと「NO」と言いましょう。それがひいては、自分も相手も大切にすることにつながるのです。

人とのかかわりのなかで断るシーンに直面したときには、どうぞ「断りの基本ステップ」を思い出してみてくださいね。

この記事の担当ライター
桃谷 裕子
桃谷 裕子

桃谷裕子(ももたに・ひろこ)
横浜労災病院 勤務者メンタルヘルスセンター 臨床心理士
東京薬科大学卒業後、薬剤師の免許取得。関東逓信病院(現・NTT東日本関東病院)の薬剤師や英国ピアソングループ医療系出版社の管理職、エムスリー(株)にて日本最大級の医療従事者専用サイト『m3.com』の初代コンテンツ・リーダーとして働き続ける中、「いい仕事をするためには“心”と“からだ”の両方の健康づくりが重要!」と痛感。一念発起して、子育てをしながら心理学を学び、駒澤大学大学院、筑波大学大学院を修了。いまでは“薬女”の知識と経験も活かしながら臨床心理士・産業カウンセラーとして働く。現職のほか、神奈川大学教職員のカウンセラー、陸上自衛隊や企業のメンタルヘルス研修講師も務める。(公財)日本生産性本部と東京大学が共同で設立した『健康いきいき職場づくりフォーラム』の2018年2月のブログ記事を担当。著書に『メンタルサポート教室』『心とからだの健康教室』(新興医学出版社)がある。リラクシング&リフレッシング・ミュージック『ストレスフリー』(デラ)の監修者でもある。

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